家族計画~追憶~

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by D.O.

ストーリー

家(うち)へ帰ろう-。
 司が拾った中華系の女の子春花(チュンファ)。
 彼女と二人で生活を始めた矢先に押しかけてきた謎の男、寛。
 いつの間にやらアパートを追い出され、更に流浪の少女末莉と、自殺未遂の女性、真純を従えた一行。
 そして、一軒の暖かそうな古い一戸建てを見つける。
 その家の所有権を主張する青葉と、司のかつての同級生、準を交えて、寛の提案する「家族計画」がいよいよ始動する!

ヒロインと愉快な仲間達

高屋敷青葉(たかやしき あおば)  CV:北都 南
 本名同じ。司達が住むことになった家を祖父から相続しており、強引に権利を主張する長女役。
 人付き合いが非常に下手で、冷たい言動と痛烈な毒舌により相手を再起不能に追い込むことすらある。
 現在は無職で、公園で似顔絵書き等をしている。

高屋敷 準(たかやしき じゅん)  CV:杉沢淳子
 本名は大河原準。司のかつての同級生で、高屋敷家の次女役。基本的に人見知りが激しく、なかなか打ち解けないタイプ。
 銭金にとてもうるさく、打算的にしか行動しないが、そのためか多方面に知り合い、コネを持っている。

高屋敷春花(たかやしき はるか)  CV:佐々留美子
 本名は王春花(ウァン・チュンファ)。中国から本当の母親を求めて日本にやってきて、「家族計画」のきっかけを作る。
 高屋敷家3女役で日本語はまだカタコト。実に素直でおおらかで優しい性格。得意技は相手を極楽浄土に導くほどの按摩。

高屋敷末莉(たかやしき まつり)  CV:片瀬唯
 本名は河原末莉。高屋敷家の末っ子役。両親の死後、親戚の家に引き取られていたが、虐待気味に扱われており、自らホームレス生活に突入していたところで司たちと出会う。
 素直で可愛い性格だが、周りに対してかなり遠慮気味のところがある。家族愛への憧れが非常に強い。

高屋敷 真純(たかやしき ますみ)  CV:MIWAKO
 本名は板倉真純。高屋敷家家長夫人役。女性で一番年上なので母親役であるが、実は結構若い。
 気が弱く、強気の相手にとことん弱い。過去に結婚詐欺に遭って破産した経験があり、物事を悪い方向へと考えがち。普段はぼややんとした感じ。

高屋敷 寛(たかやしき ひろし)  CV:比留間狂ノ介
 元敏腕企業戦士。家族計画の父。
 かなりの変人で、奇特な言動と破天荒な行動力で周囲を煙に巻く。司の天敵。元企業戦士という肩書きは伊達ではなく、各種戦闘技能をはじめ、多彩なスキルを身につけている。
 いろいろと過去があるらしいが……?

高屋敷 司(たかやしき つかさ)  CV:すずきけいこ
 本作の主人公。親を失い、一人で生きる青年。性格はクールで現実的。でも真っ直ぐ。言動はややきついが、お人好しな面も。
 彼の内面には素晴らしいツッコミ(関東系)の才能が眠っており、劇的に開花していく(作中においてそれは何の役にも立たない)。
 今は中華料理店『ろんろん』でバイトをして生計を立てている。

瀏 家輝(ラウ カーフェイ)  CV:十文字隼人
 司が働いている中華料理店の店長代理。

本題のレビュー

神シナリオ認定\(^O^)/

 いや~、泣きました、マジで。それぞれに様々な問題を抱えて、何故か集まってしまった人達。各々の危機的状況を補完しあうための「家族計画」。
 物語全般に渡って、BGMはそのシーンとマッチしていましたし、随所で見受けられる主人公司と父親役の寛、そして司のアルバイト先の店長(代理)・劉さんとの掛合漫才(笑)。
 また、時々出る「ちょっと古い」ギャグ・・・。たまりませんでした。丁度私と同じ30台の年齢の方がプレイすると、「あ~、そういうのも有ったねぇ♪」って何とも言えず懐かしくなる事もあったりして・・・。

 各ヒロインとも、ストーリーが良く練られていて、結構長編なのですが各キャラで矛盾が無いというかなんというか。相互キャラが絡みすぎて痛いということも無かったです。この辺は素晴らしいです。

 中でも一番泣けたのは準のストーリーでしょう。何故危ない橋を渡ってまで金儲けをするのか、何故食事がカロリーメイトと水だけしか受け付けないのか、そもそも主人公とは何故「契約」したのか・・・。この辺を切々と語るシーン、また最後に準を主人公達が見つけたシーン、久々にぼろぼろと涙がこぼれてきました。途中、準の双子の妹、久美景が出てきますが、これがキーマンの一人だと・・・。どんな内容なのかは、プレイしてみてください。

萌えと泣きw

 あと、いわゆる一つの萌えキャラは何と言っても末莉ですねぇ。OPムービーが終わった直後、「まずは末莉を攻略!」と叫んでましたw
 勿論、ストーリーも良かったです。なんというか、ED迎えてから徐々に胸が熱くなるというか、今までに無い感動の仕方でした。末莉が周りに対して遠慮しながらも「家族」を無垢に求める姿・・・。「自分はいらない子なんだ」ってずっと思い続けて、だからこそ気に入られようとある意味卑屈になりながらも求め続ける姿。末莉の生い立ちが語られた時に理解出来ました。胸が熱くなりました・・・。

その他のキャラ

 その他のキャラについてもちょこっと触れておきます。

 まず真純。泣きはしませんでしたが、すかっと爽やかな感じでした。途中、ヘタレのストーカーちっくな元彼というか結婚詐欺師に対して優柔不断な態度を取っていたのがなんとなく気にくわなかったですが、EDを迎えるにあたって詐欺師と対峙するシーンは爽快でしたね。結構主人公に感情移入しちゃってたかもしれませんw

 次に春花。母親とその家族に対面したシーンは涙無くして見られませんでした。ただ、再会自体が感動したんでは無いです。
 春花は、生みの母親が中国に留学していた時に出来た子どもです。但し、それは現地の学生達に陵辱を受けた果てに出来た子ども・・・。ショックでその時の記憶を無くした母、それを承知で結婚した旦那(母の留学時代の同級生です)。時々、その時の記憶に触れるような出来事があると発作を起こしてパニックになってしまう母。それを優しく気遣う娘・・・。
 そんな状況の中で、主人公は母とその家族をバイト先の中華料理店に誘います。春花の手作りの料理を食べさせる為に。食事の後、春花が母に按摩を行います。もうこの辺のシーンから涙がちょちょぎれてました。

 そして青葉。祖父との「思い出探し」をすべく、屋敷の至る所を探し回り、庭まで掘り返す行為。でも、そんな思い出の真実を知った時、今までの青葉の毒舌やらなにやらが妙に切なくなりました。泣きはしませんでしたが、EDは静かに心穏やかに感じました。良かったですよ。

忘れちゃいけない、この人w

 全編を通じて主人公と関わってくる中華料理「龍龍(ろんろん)」の店長代理、劉さんです。その筋では有名な方らしくw、中国系マフィアの下っ端連中でさえもその名を知っていて恐れているらしいです。各ヒロインでEDまでの絡み方が微妙に違うのも面白い点ですね。

 思考回路は寛に似ており、作品中でも主人公から「この二人は絶対にウマが合う・・・」と言わしめるほど・・・w

 中でも印象的なのが、妹のホモ疑惑に対して、
「違う!ホモではない!私はバイだっ
と力説するシーンでしょうかねw

まとめと攻略お勧め順

 コミカルに進みつつも、要所要所でぐっと来るシーンが満載。お勧め作品です。是非プレイしてみてください♪

 凜♪的お勧め順(というか泣き順)

     準 > 末莉 > 春花 > 青葉 > 真純